さて、今回でこの、仏教学会の秘密シリーズの
最終回にしたいと思いますが、
仏教学者が仏教の大前提を破壊している2番目の理由です。
∽…∞…∽…∞……∽…∞…∞
ほんと仏教学者って因果の道理分かってないよね
∽…∞…∽…∞……∽…∞…∞
まず、なぜこんなことになってしまったのかといいますと、
江戸時代にさかのぼります。
当時、日本中に30万カ寺の寺があり、
仏教一色だった日本も、
明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)という大弾圧で、
一気に10万カ寺まで激減しました。
このピンチを何とかせねばっ!
と思ったのはよかったのですが、
19世紀頃始まった歴史の浅い
西洋の文献学的な仏教研究、仏教学を取り入れようとして、
ある大正時代の仏教学者が、
大失敗をしてしまったのです。
その仏教学者が
西洋由来の仏教研究をしていて
分からなかったのは、
輪廻と無我の関係です。
「仏教では無我で、固定不変の霊魂が存続しない
ということは、一体何が輪廻するのだろう?」
と疑問になってしまったのですね。
そして、輪廻と無我を比べて、
「輪廻はインド土着のレベルの低い考え方だろう。
無我は哲学的で、何だか高尚な気がする。
釈迦は、当時インドの人々が信じていたので、
輪廻をやむをえず説かれたのであって、
本当に言いたかったのはどっちかというと、無我だろう!」
と勝手に判断したのです。
実際、その仏教学者の本を見てみると、
仏教としては、かくも、無我説でなければならぬとするが、
他方に於いて輪廻を事実と見る時には………
といった感じで、無我と輪廻が
さも矛盾であるかのように論じています。
このブログの読者のみなさんは、
もうすでに無我についてはお分かりだと思いますが、
仏教では阿頼耶識という永遠の生命が、
ものすごい勢いで変わりながら流れています。
図に書くとすれば、こうでしたね。
断見外道
──────────┤死
常見外道
───────────────────
仏教
———————————————–
それは、
「生滅あれども断ならず、相続すれども常ならず」
と教えられており、少しも輪廻と矛盾しません。
この、無我でありながらはてしなく輪廻して行く
仏教の教えが分からなかった仏教学者が、
釈迦は輪廻を認めなかったと主張し、
なんと仏教を、死後を否定する断見外道にしてしまったのです!
やはり、因果の道理は仏教の根幹ですから、
因果の道理が分からなければ、
仏教は一切分かりません。
それは仏教学者でも無理なんですね。
それどころか、仏教を外道にしてしまっています。
それが、
「ほんと仏教学者って因果の道理分かってねーよなー」
ですめば良かったのですが、さにあらず。
やがて、この仏教学者が
なぜか東大のインド哲学科で
一番えらくなってしまい、
釈迦は輪廻を説かれなかったという
仏教の大前提の破壊が日本の仏教学会の定説
となってしまったのです!!
▼こんなことになってしまったのは、
そもそも当時の仏教学者が
近代仏教学に取り入れて、
今日まで続いている、
「文献学」にも問題があります。
「文献学」というのは、
この文献の成立の歴史はこうだ、とか、
写本の系統はこうだ、ということを研究する学問です。
つまり、お釈迦さまの悟られた真理はこれだ
ということを研究するのではなくて、
資料としての有効性を評価したりします。
一番古いとか。
ですから、仏典を尊いと思っているのではなく、
ある仏典とある仏典の有効性を評価して、
こっちが有効などと判断するわけです。
燕雀何ぞ大鵬の志を知らんや
という言葉がありますが、
ちゅんちゅん鳴いているばんちく雀が、
ひとっ飛び四十里という中国の伝説上の鳥、
大鵬の志が分かるだろうか、いや分からない、
という意味です。
それ以上に、私たち凡夫が
仏のさとりを開かれた仏様の心を
知ることはできませんから、
ましてや、お釈迦さまの説かれた経典どうしを比べて、
こちらの有効性が高いなどと
お釈迦さまを上から目線で評価することなど
できるものではありません。
このように、仏教学者は、
仏典を尊いと思っているわけではなく、
単なる文献だと思っています。
現実に、仏教学者の中には、
毎週キリスト教の教会のミサに通う
クリスチャンの仏教学者もいる位です。
「何それ?」という感じだと思いますが、
こんな信仰抜きの頭だけの学問では、
お釈迦さまの尊い教えが理解できないのも、
無理ありません。
そんな仏教学者たちは、
仏教に生きる意味とか幸せとかは、
求めていないのです。
こうして、
仏教の大前提を破壊した近代仏教学にもとづいて、
学者の本は書かれていますし、
最近の僧侶はみんな大学で仏教の勉強をしますから、
みんな西洋の文献学の影響を受けています。
それで、現在日本で出回っている
仏教の本の99.9%が間違い
という状態になってしまっているのです。
今となっては、
すべての人が本当の幸せになれる
人類の希望の光が、風前の灯火です。
この信じがたい状態にしてしまった彼らは放っておいて、
私たちで、何千年もの歴史ある伝統的な
本当の仏教の教えを学んで、
ご縁のある方に伝えて行きましょう。
この日本の仏教学会の秘密は、
まだほとんどの人に知られていない状態ですから、
私たちが本当の仏教を知って、
本当のことを伝えて行かないと、
本当に日本の仏教は滅びてしまいます。
ぜひ私たちの手で、
日本の仏教を再興できるよう、
一人でもご縁のある方に、
本当の仏教をお伝えして行きましょう。
(今回の元旦からの5回シリーズは、
結構内容が難しいかもしれないので、
くり返し読んで復習しておいてください)