一昔前は、高級ホテルとして、リッツ・カールトンが有名になりました。
一泊5万とか10万とかします。
一日で一ヶ月分の家賃が消える、みたいなところです。

そのリッツ・カールトンもだんだん有名になってきて、
多くの人は聞いたことはあるし、
泊まったことがある人もあると思います。

そして最近多くの人に知られつつあるのは
アマンです。
アマンの場合は、一泊30万とか50万とかします。
何ヶ月分の家賃が1日で消えます。

こういうところに泊まるお金持ちが
何を求めているのかというと、
「ラグジュアリー」ですね。

ラグジュアリーと聞くと、ぜいたくとか、
宝石がちりばめられているようなイメージがあるかもしれませんが、
本当のラグジュアリーは
そういう概念ではありません。

例えばアマンリゾートは、
ラグジュアリーを打ち出していますが、
貴金属がキラキラしたイメージではなく、
そこにあるのは「自然」です。

世界中で島ごと買いとって、
そこに建物を建てて、
泊まれるようにしたりして
リゾート開発をしています。

だからアマンリゾートに行くと、
都会の喧噪を離れて、
海とか、生き物とか、
大自然にふれることができます。

そんな自然を通してアマンは
「ラグジュアリー」を打ち出して、
その世界観や哲学に共鳴する人が、
高いお金を出して泊まりに行くわけです。

アマンの中でも、特に最高級の場所は、
何兆円もの資産を持った大金持ちが、
一年中全部予約を入れてしまっていて、
どんなにお金を出しても泊まれないといわれています。

それだけ求められているのが、
アマンの「ラグジュアリー」なのです。

一体この場合、「ラグジュアリー」とは何なのでしょうか?
宝石で埋め尽くされていることではありません。
ただの自然です。

木が生えていて、空気がきれいで、
鳥がいたり、虫がいたりするだけです。

巨万の富を築いた人が、そこへ
ラグジュアリーを求めてやってくるわけですが、
それってラグジュアリーだと思いますか?

自然自体は、自分の家の近くにもありますよね。
自然は元から世界中にありますし、
どちらかというと、自然が豊かな地域のほうが、
地価が安いですよね。
普通は高級とはいいません。

言うまでもないことですが、
アマンが高級ブランドだから
アマンが提供すれば何でもラグジュアリー
ということでもありません。

アマンはブランドとして認識される前から、
独自の哲学をもって自然の中のリゾートを提供しています。

▼では一体何がラグジュアリーと認識されているのかというと、
「本来の自分であれる」
ということです。

人は社会の中でTPOを弁えて、
自分に課された役割を演じて生きています。

職場では職場での役割、
家庭では家庭での役割があります。

そんな社会的な状況の中で、
自分は本当はこうしたくないのに、
と思っても、その場の空気を壊してはいけないので、
空気を読んで、作り笑いを浮かべたり、
優等生的な発言をしたり、
相手を傷つけないように気遣ったり、
色々大変です。

言いたくないことでも言わなければならないし、
言いたいことでも言ってはならないこともあります。

そして、周りに合わせまくっているうちに、
いつしか本来の自分を見失って、
心の声が聞こえなくなってしまっている人も
たくさんあると思います。

そんな社会の中でクタクタになってしまった人が、
大自然の中ならば、
本来の自分の在り方ができる、
ということで、
それがラグジュアリーと認識されているのです。

それに何十万円ものお金を出しても惜しくないほど、
得難いものなのです。

▼ですが、ここで、心の奥底に
うっすら疑問を感じる人もあると思います。

それなら、南の島で、特にお金もないけど、
そんなに働かなくてもバナナとかを食べて生きていける
原住民のような人は、
ラグジュアリーな生き方をしているのだろうか?

その生き方をするのに、仕事を成功させて、
巨万の富を築く必要はないのではないか?

お金が欲しいと思って、努力した結果、
ほとんどの人がたどりつくことのできない境地が、
自然の中なのか?

大金持ちの人は、たまの休みに自然の中のリゾートで
鋭気を養うことができたとしても、
すぐにまたもとの忙しい毎日に戻っていかなければなりません。

毎日ずっとラグジュアリーな環境で生きられる原住民の人と、
どっちが幸せなのでしょうか?

一体、本当の自分とは何なのか?

幸せは一体どこにあるのか?

実は、それを追及して、
すでに答えを説き明かしているのが仏教です。
実際、アマン京都では、お坊さんのシルエットのような
イメージを打ち出しています。

仏教には何か心が落ち着くような
イメージがあるのかもしれません。

どうして仏教にそんな穏やかなイメージがあるのかというと、
それは生きる意味を明らかにされた、
仏教の教えからくるものです。

関心があれば、ぜひ仏教を学んでみてください。

ところで、お知らせがあります。

昨年、

日本仏教学院をリニュアルしましたが、今回はそれに合わせて

以下の4つのサイトのデザインもリニュアルしました。

仏教ウェブ入門講座

「歎異抄」入門講座

「正信偈」入門講座

「浄土真宗」入門講座

どのサイトも、それぞれの分野について
一番本物を、一番分かりやすく学ぶことができます。
これだけあれば、ほとんど何でも分かります。

今回、サイト内検索も実装しましたので、
あれ、どこだっけ?

という内容があれば、探しやすくなっています。

ぜひこれらのサイトをブックマークしておいて頂き、
ご活用頂ければと思います。

それにしても、仏教といえば、
この記事の読者の皆さん以外は
ほとんど葬式や法事と認識されていて
教えがあることさえほとんど気づかれていない現状です。

ですが、仏教にはすばらしいことが
たくさん教えられていますので
ぜひ本物の仏教をみなさんのところまで
届けていきたいと考えています。