今回日本仏教学院のサイトデザインを担当して頂いたデザイナーによれば、サイトの一番最初に出てくる画像がイメージで、それに続く文章がエピソードだそうです。
イメージとエピソードの組み合わせによって、日本仏教学院の趣旨や価値を分かりやすく伝えようとされています。

イメージやエピソードは、太古の昔から、現代の有力ブランドまで、人間が何かを伝える際に用いている手法なので、誰にでも伝わるそうです。

そして、もう一つ重要なのは、エピソードが内容と品質を想起させる点だそうです。

その点、
日本仏教学院について
で選ばれたイメージは、「一切経」です。

これは「大正新脩大蔵経」の底本になっている韓国の海印寺の一切経の版木です。
全部で8万1258枚あるので、八万大蔵経ともいわれています。
かれこれ750年くらい前に 制作されたもので今では世界遺産になっています。

世の中には、仏教の教えについて色々なことを言う人があります。
それが何か特定の分野で活躍している人であっても、仏教が専門外の場合は、驚くほど適当なことを平然と断言している場合があります。

それがもっと驚くのは、仏教が専門の、学者や長老であっても、お釈迦さまは
「生きる意味はない」と教えられたとか、
はたまた
「死後は説かれず、この世のことだけを説かれた」
とか、かなり意外なことを言っている時があります。

そういうことを言うのはその人なりに色々理由があるのも分かるのですが、あまりに色々なことを言う人がありますので、本当にお釈迦さまはそんなことを教えられたのだろうか?
と思うことがあると思います。
そんな時にどうすればいいのかというと、一切経に教えられているかどうかを確認すればいいのです。

たまに一切経さえも否定する人がありますが、一切経に書き残されていること以外に、お釈迦さまの教えを知る方法はありません。
一切経に説かれていることが仏教です。

それで、日本仏教学院では、本物の仏教をお届けするために、一切経を根拠に挙げて、それを分かりやすく解説するわけです。

それで「日本仏教学院について」のページの画像は一切経が使われているのですが、このアイディアは、私ではなく、シンボルマークを作ってくださったデザイナーさんが、考えてくださったものです。
本当にいいアイディアだと私も思います。
もちろん初めての方には、いきなりお経の言葉が出てくると難しすぎる場合もあります。

ですので通信コースの場合は、最初は仏教の教えにかなう有名人の言葉なども出しながら、そういうのに慣れていき、だんだん仏教の言葉が多くなっていきます。
日本仏教学院では、この一切経のイメージに恥じないような本物の仏教をお届けしていきたいと思います。

今回のサイトデザイン方針の建物やセミナー風景などの具体的なイメージを出さずそれ以外のもので象徴して意味を伝えるという方針からすると、一つ疑問があります。

それは、通信コースの案内ページです。
具体的なパソコンの写真になっています。

それについて聞いてみたところ、すると、一見「即物的」と感じられますが、この画像にも高い表現レベルがあるそうです。

まずノートパソコンが置かれたテーブルですが、使い込まれた木材が使われています。
また背景には外界の自然が感じられます。
使っている人は、ノートパソコンを「開いて」います。
この動作には「何かを初める」という隠喩があるそうで、この仏教史上初のウェブ通信コースによって、本当の生きる意味を知るスタートになる、という意味を伝えているということです。