さて、これからしばらく、
このブログのテーマは、
「生きる意味」です。
それを解明するためには、
まず「生きる意味」という言葉の意味じたいが
分からなければ、始まりません。
そもそも「生きる意味」とはどんなことを言うのでしょうか?
それは、私たちは
何のために生まれてきたのか。
何のために生きているのか。
なぜ生きねばならないのか。
ということです。
つまり、あなたが生まれてから死ぬまでに、
一体何をすれば、人間に生まれてよかったと大満足できるのか、
ということです。
それは、人生全体の意味であり、
人生全体の目的とも言えます。
 
▼レストランでいえば、レストランに入ったのは、
食事をするのが目的です。
他にも、
マンガを読んだり、
テレビを見たり、
友達としゃべったり、
パソコンで作業したり(?)
色々なことができますが、
レストランですから食事をせずに帰ったら
レストランに入った意味がありません。
逆に、目的である食事が終われば、
いつ出ても大丈夫です。
例えばレストランで食事が終わった後、
パソコンを開いていたら、お店の人から、
「昼どきで混んできましたので、申し訳ございませんが……」
と言われれば、
「あ、すみません」
と出て行くことができます。
ところが、目的である食事が済んでいないのに
「申し訳ございませんが、
混んできましたので出て頂けないでしょうか。」
と言われたら、
「は?まだ食事出てないのに……?」
と疑問に目を白黒させてしまいます。
とてもすんなり出て行くことはできません。
このように、目的というのは、
レストランに入ってから出ていくまでに
必ずしなければならないことです。
それをしなければ、
レストランに入った意味がありません。
目的ではない、テレビやマンガは、
見なくても構いませんが、
食事はしなければ出られません。
出て行くまでに何をすればいいのかが目的です。
このように、入ってから出るまでに果たさねばならない
目的があれば、意味もありますし、
目的がなければ意味もなくなってしまうことが分かります。
 
▼では人生ではどうでしょうか。
人生では、レストラン以上に色々なことができます。
そんな色々の中で、人生へ入ってから出るまで、
つまり生まれてから死ぬまでに、何をすればいいのか、
何をしなければならないのか、というのが生きる目的であり、
生きる意味です。
このように、生きる意味といっても、
生きる目的といっても同じですから、
アメリカの哲学者リチャード・テイラーは
そのことをこう表現しています。

無意味とは本質的には終わりのない無目的のことであり、
有意義とはしたがってその反対である。(リチャード・テイラー)

つまり、 生きる意味
イコール 生きる目的
イコール 人生の意味
イコール 人生の目的
と言えます。
 
▼このブログで解明するのは、
そういう生きる意味や目的であって
普通の会話で出てくる生きる意味や目的とまったく違う
ことが多いのでお気をつけ頂きたいと思います。
たとえば、よく
「今の一瞬一瞬を精一杯生きれば生きる意味がある」
と言われたりしますが、これは意味の違う
「生きる意味」です。
さきほどのたとえでは、
レストランに入ったのは、入ってから出るまで、
精一杯過ごすのが目的ではありません。
食事が目的ですから、食事ができなければ、
頑張ってマンガを読んでも、
レストランに来た意味はありません。
「マンガを読むだけなら家で読んでください」
と言われてしまいます。
ですから、何かの生きがいに熱中していたり、
生きる力にあふれているからといって、
それがすぐに生きる意味がある
ということにはつながらないのです。
そのような、何にでも意味を見いだそうとするような
生きる意味なら、誰でもすぐ分かりますので、
この本で取り扱う生きる意味は、それよりはるかに難しい、
私たちは何の為に生まれてきたのか、
何の為に生きているのか、
なぜ生きねばならないのか。
生まれてから死ぬまでに、何をすれば
「人間に生まれてよかった、人生これ一つだった」
と満足できるのか、という人生全体の目的です。
もし、そんなのじゃなくて、
今落ち込んでいるので生きる力や生きがいが欲しい
という場合も、
この本当の生きる目的が分かれば、
それに向かうものはすべて意味や目的を持って、
生きる力はおのずとわいて来ます。
ご安心ください。
 
▼では、そんな人生全体の目的や意味が、
ありうるのでしょうか?
人生について深く考えておられる方は、
「それは見つからないのではないか?」
と思っておられると思いますし、
あまり考えずに目の前のものを
「これ」と思われた方もあると思います(笑)
ただ、生きる意味や目的を誤解すると、
「分からない」よりも
もっと悲惨なことになりかねませんので、
次回から、よくある常識の間違いを
幾つかあげてみたいと思います。